02 [2022年12月]ChatGPT登場の衝撃 〜「分からない」と言わないAI、そして訪れた転機

02 [2022年12月]ChatGPT登場の衝撃 〜「分からない」と言わないAI、そして訪れた転機

前回は、ChatGPT登場以前の2022年初頭、私が社内の業務改善企画の立案を担当していた頃の、情報収集や資料作成における試行錯誤についてお話ししました。信頼できる情報源を探すだけでも一苦労、といった状況で、日々悪戦苦闘していたのです。そんな中、私の働き方を、そして世の中を大きく変える可能性を持った出来事が起こりました。それが、ChatGPTとの出会いです。

Twitterのタイムラインを踊る「ChatGPT」の文字 〜 何かが起こっている…!

2022年の終わり頃だったでしょうか、Twitterのタイムライン上で、「ChatGPT」という見慣れない言葉が、頻繁に目に入るようになりました。最初は気にも留めていなかったのですが、あまりにも多くの人が「ChatGPTがすごい!」と呟いている。何事かと調べてみると、OpenAI社が開発した、「とんでもないAI」が一般公開されたというのです。

「AIが、人間のように自然な文章で、質問に答えてくれる」 「プログラミングまでできるらしい」 「仕事で使えそう!」

そんな期待をあおる声が、タイムラインを埋め尽くしていました。しかし、当時の私は、これらの情報を見てもまだ、その真のインパクトを理解できていませんでした。

YouTubeで見た、衝撃の光景 〜 これは、本当にAIなのか…?

Twitterでの異様な盛り上がりを受け、YouTubeでも、ChatGPTを取り上げた動画が、次々とアップされ始めました。「ChatGPTに〇〇させてみた」といったタイトルの動画が、急上昇ランキングに並んでいたのを覚えています。

動画を見てみると、ChatGPTが、本当に人間と会話しているかのように、様々な質問に答えているではありませんか。しかも、その回答が、従来のAIとは比較にならないほど、正確かつ自然なのです。

「これは、ただ事ではない…」

動画を見ながら、私は思わず息を呑みました。画面の向こう側で繰り広げられているのは、まさに未来の光景でした。

あれ?「分かりません」はどこへ? 戸惑いと期待が入り混じる

いてもたってもいられず、私も早速ChatGPTを試してみました。そこで目の当たりにしたのは、私の常識を覆す、驚愕の光景でした。

それまでのAIツールや検索エンジンであれば、分からない質問をすれば「分かりません」とか「該当する情報が見つかりません」といった回答が返ってくるのが普通でした。しかし、ChatGPTは違いました。どんな質問をしても、何かしらの答えを返してくるのです。

例えば、「業務改善の最新トレンドは?」といった質問をしても、もっともらしい意見を、さも当然のように述べてくるのです。もちろん、その内容が正確かどうかは、まだ判断がつきません。しかし、どんな問いにも臆することなく、堂々と答えるその姿は、従来のAIのイメージを完全に覆すものでした。

的確さ以前の驚き 何を聞いても、何かが返ってくる

従来のシステムやツールであれば、あらかじめ用意された選択肢から選ぶか、決められたフォーマットで入力する必要がありました。「こう聞いたら、こう返ってくる」という、ある程度予測可能な範囲内でのやり取りが基本でした。

しかし、ChatGPTは、自由な形式で、どんな質問をしても、何かしらの答えを返してくるのです。その答えが、必ずしも的確とは限りません。時には、的外れな回答や、矛盾した内容が含まれていることもありました。

それでも、「何を聞いても、何かが返ってくる」という、この全く新しい体験は、私にとって大きな衝撃でした。具体的な業務への活用方法などはまだ全く思い浮かびませんでしたが、「これは、今までとは全く違う、とんでもないものが現れたぞ…!」という、言いようのない興奮を覚えたのを今でも鮮明に覚えています。

業務改善企画に活かせるか? 芽生えた期待

初めてChatGPTを使ったあの日、性能の高さと同時に、それまでにない挙動に戸惑いも感じました。しかしそれ以上に、「このツールを、業務改善企画に活用できるかもしれない」という、強い期待が芽生えました。

特に、情報収集や、アイデア出し、そして資料作成といった、これまで多くの時間と労力を費やしてきた業務を、ChatGPTがサポートしてくれるかもしれない。そんな期待を胸に、私はChatGPTの可能性を探求することを決意しました。