03 [2023年1月] ChatGPTと遊ぶ日々 〜 驚きと発見、そして限界を知る

03 [2023年1月] ChatGPTと遊ぶ日々 〜 驚きと発見、そして限界を知る

前回、ChatGPTとの衝撃的な出会い、そして「このAIを業務改善企画に活用できるかもしれない」という期待が芽生えた瞬間についてお話ししました。今回は、そんなChatGPTを、私がどのように「遊び倒した」のか、その日々を振り返りたいと思います。

仕事、趣味、他愛もない話… 寝ても覚めてもChatGPT

ChatGPTの登場は、私にとってまさに革命でした。その日から、私は、文字通り寝ても覚めても、ChatGPTと対話するようになりました。

仕事の合間には、業務改善企画のアイデアについて、ChatGPTに意見を求めました。「この業務プロセス、どう思う?」「もっと効率化するには、どうすればいいかな?」そんな質問を投げかけると、ChatGPTは、まるで経験豊富なコンサルタントのように、的確なアドバイスを返してくれるのです。もちろん、その全てが完璧というわけではありませんが、自分一人では思いつかなかったような視点を与えてくれることも多く、非常に参考になりました。

仕事以外でも、ChatGPTは私の格好の遊び相手でした。趣味の音楽について、「このアーティストの新曲、どう思う?」と感想を求めたり、旅行の計画について、「この日程で、この地域を効率的に回るには、どうすればいい?」と相談したり。時には、「今日の晩御飯、何にしようかな?」といった、他愛もない質問にも、ChatGPTは真剣に答えてくれました。

驚きの連続、しかし見え隠れする「限界」

ChatGPTと対話する中で、その能力に驚かされることは、一度や二度ではありませんでした。「この質問には、さすがに答えられないだろう」と思って投げかけた難問に、いとも簡単に、しかも人間らしい自然な文章で答えてくるのです。

例えば、「人生の意味とは?」といった哲学的な問いにも、ChatGPTは、様々な思想家の言葉を引用しながら、それらしい答えを導き出してくれました。「人間とAIの違いって何?」という、AI自身に関わる質問にも、自己分析をしているかのような、興味深い回答が返ってきました。

しかし、使えば使うほど、ChatGPTの「限界」も見え隠れするようになりました。 明らかに間違った情報を、さも当然のように答えることもありましたし、同じ質問を繰り返すと、前回とは全く異なる回答が返ってくることもありました。

暴走するChatGPT、そして見えた「知識の境界線」

特に顕著だったのが、情報の正確性に関する限界です。2023年が明けたばかりの頃は、トレーニングデータに含まれない最新情報には対応しきれていない様子で、的外れな回答をすることも多々ありました。

例えば、ある有名な製品に関する事業戦略について質問したところ、驚くべき回答が返ってきたのです。創造性あふれる回答ではありましたが、歴史をふまえると、現実にはあり得ないような回答でした。しかし、当時の私はそれに気付かず、「すごい事業戦略だ」と、感心すら覚えていました。後から、事実と異なる回答であることに気づき、かなり驚きました。 これは、ChatGPTが持つ情報が必ずしも真実とは限らない、ということを私に教えてくれました。

生成AIの仕組みに迫る

ChatGPTの限界を知った私は、「このAIは、一体どういう仕組みで動いているのだろう?」という、根本的な疑問を抱くようになりました。そして、生成AIの仕組みを理解するために、自分なりに情報収集を始めました。

「Transformerとは?」「大規模言語モデルとは?」

ネットや書籍で情報を集め、ChatGPTに関する記事を読みあさりました。

当時の私には、呪文のようにしか聞こえない専門用語が、そこかしこに記載されていました。しかし、情報を集めていくうちに、少しずつ、ChatGPTの「頭の中」が理解できるようになってきたのです。

ChatGPTは「道具」、使いこなすのは「人間」

ChatGPTと遊び倒し、その限界を知り、生成AIの仕組みを学ぶ中で、私は一つの確信を得ました。それは、ChatGPTは、あくまでも「道具」であり、それを使いこなし、価値を生み出すのは、私たち「人間」であるということです。

ChatGPTは、確かに驚異的な能力を持っています。しかし、それは万能ではありません。 正しい使い方、適切な指示、そして、生成された情報を精査する力。これらがあって初めて、ChatGPTは、私たちの仕事を、そして生活を、より豊かにしてくれる、真のパートナーとなるのです。