05 [2023年6月] 企画書作成の強力な相棒 〜 壁打ち相手から、叩き台の作成まで

05 [2023年6月] 企画書作成の強力な相棒 〜 壁打ち相手から、叩き台の作成まで

第4回では、ChatGPTをExcel作業や情報収集に活用することで、業務効率が劇的に改善されたことについてお話ししました。今回は、いよいよ企画書作成におけるChatGPTの活用について、具体的なエピソードを交えながらご紹介します。

ひらめきを形に 〜 壁打ち相手としてのChatGPT

業務改善企画の立案において、最も重要なのが企画書です。企画の目的、具体的な内容、期待される効果などを、分かりやすく、かつ説得力のある形でまとめなければなりません。しかし、この企画書作成が、なかなか一筋縄ではいきませんでした。

そんな時、私はChatGPTを「壁打ち相手」として活用してみることにしました。例えば、ふと「この業務プロセス、もっとシンプルにできないかな?」と思いついたら、すぐにChatGPTに「〇〇業務のプロセスを簡略化する方法について、アイデアを5つ出して」と質問するのです。

すると、ChatGPTは、私の漠然とした考えを、具体的な言葉で表現し、さらに発展させたアイデアまで提案してくれるのです。時には、「その視点はなかった!」と膝を打つような、目から鱗の提案もありました。

もちろん、ChatGPTの提案をそのまま企画書に使うわけではありません。しかし、自分の思考の「壁打ち相手」として、ChatGPTを活用することで、アイデアの幅を広げ、企画の質を高めることができたのです。

企画書の骨格を作る、もう一人の自分

さらに驚いたのは、ChatGPTが、企画書の構成案まで作成してくれることでした。「〇〇に関する業務改善の企画書を作りたい。構成案を考えて」と依頼すると、目的、現状分析、課題、解決策、期待される効果、といった具合に、企画書に必要な要素を網羅した構成案を、瞬時に提示してくれるのです。

もちろん、そのままでは使えません。しかし、この構成案を「叩き台」として、肉付けや修正を加えていくことで、効率的に企画書を作成することができました。まるで、もう一人の自分が、企画書の骨格を作ってくれているような感覚でした。

企画書の叩き台があっという間に 〜 ラフな原稿が数分で

そして、最も革新的だったのが、企画書の「叩き台」となる原稿を、ChatGPTが作成してくれることでした。「こういう内容の企画書を書きたい」と、箇条書きでポイントを入力したり、大まかな方向性を伝えたりすると、ChatGPTが、それらを基に、説得力のある文章で、企画書の原稿を作成してくれるのです。

例えば、「業務効率化によるコスト削減効果を強調したい」と伝えれば、具体的な数値目標を盛り込んだ文章を生成してくれます。「他社の成功事例を参考にしたい」と伝えれば、関連する事例を調査し、企画書に組み込んでくれるのです。

もちろん、生成された原稿は、あくまでも「叩き台」です。自分の意図とずれている部分を修正したり、不足している情報を追加したり、といった作業は必要です。しかし、ゼロから文章を書き起こすよりも、はるかに効率的です。

まさにAIの得意分野 〜 追加、削除、要約はお手の物

さらに、ChatGPTは、文章の追加、削除、要約といった作業も得意です。例えば、「この部分、もっと詳しく説明して」と依頼すれば、関連する情報を追加してくれます。「この部分、不要だから削除して」と指示すれば、その部分を削除した上で、全体の流れが自然になるように文章を調整してくれます。「この文章、もっと簡潔に要約して」と頼めば、要点を押さえた簡潔な文章に書き直してくれるのです。

これらの作業は、まさにAI、特に大規模言語モデルであるChatGPTが得意とする分野です。人間がやると時間のかかる作業を、ChatGPTはあっという間にこなしてしまいます。

ChatGPTと二人三脚で創る企画書

ChatGPTを企画書作成に活用するようになって、私の業務プロセスは劇的に変化しました。壁打ち相手としてアイデアの幅を広げ、構成案の作成をサポートしてもらい、叩き台となる原稿まで作成してくれる。ChatGPTは、企画書作成における、強力な相棒となったのです。

この頃になると、ChatGPTは、私にとって単なるツールではなく、一緒に企画を創り上げる「パートナー」のような存在になっていました。